たまに聞かれることがあります。
「どうして防災のことを学ぼうと思ったのですか?」と。
防災士の資格を取得しに行った際も、受講されていた多くの方は、
「会社から言われて」
「仕事で必要だから」
「自治体で必要だと思って」
という理由で参加されている方が多かったように感じました。
もちろん、それもとても大切なきっかけだと思います。
ただ、私のように個人的な思いから防災士を目指している方は、当時あまり多くなかったように思います。
では、私が防災を学ぼうと思ったきっかけは何だったのか。
それはやはり、東日本大震災でした。
2011年3月11日。
当時、長男はまだ幼稚園入園前、長女は抱っこ紐を使うほど小さな年齢でした。
その小さな子どもたちと自宅にいる時に、あの大きな地震に遭いました。
小平市でも大きな揺れを感じ、私は小さな子どもたちを抱えながら、どうしていいのか分からず、強い恐怖と不安でいっぱいでした。
建物が倒れてしまうのではないか。
このまま家にいて大丈夫なのか。
そんな思いで外を見ると、電柱や電線が大きく揺れ、近くでは女性の悲鳴も聞こえました。
誰とも連絡が取れず、何をすればよいのかも分からず、私は子どもたちを連れて自転車でドラッグストアへ向かいました。
日持ちする食品や、もしかすると娘のおむつも買ったかもしれません。
今思えば、余震もある中で子どもを連れて自転車で出ることは、とても危険な行動だったと思います。
でも当時の私は、子どもたちを家に置いて行くこともできず、連れて出るしかありませんでした。
お店では、店員さんから
「お酒売り場でガラスが割れているので気をつけてください」
と声をかけられ、改めて相当な揺れだったのだと感じたことを覚えています。
その後も、主人とはなかなか連絡が取れませんでした。
現場仕事で都内にいたため、本当に無事なのかと心配していました。
後になって無事だと分かりましたが、当時は子どもたちを守らなければならない不安と、家族の安否が分からない不安が重なり、心細さでいっぱいでした。
そして、テレビやニュースで目にした被災地の津波の映像。
その被害の大きさ。
東京であれほど怖かったのに、被災地の方々はどれほど恐ろしい思いをされたのだろうと、胸が苦しくなりました。
もともと私は心配性なところがあり、普段から荷物も多めです。
「もし何かあったら」と考えて、あれもこれも持ち歩くタイプです。
けれど、3月11日の経験を通して強く感じたのは、
心配しているだけでは、自分も家族も守れない
ということでした。
正しい知識を持っていれば、あの時のようにただ慌てるだけではなく、もう少し冷静に考えて行動できたかもしれない。
そう思ったことが、防災について学び始める大きなきっかけになりました。
そこに、もともと自分の中にあった「誰かの役に立ちたい」という思いも重なり、数年前から防災について積極的に学ぶようになりました。
もちろん、実際に大きな災害が起きた時、必ず冷静でいられるとは限りません。
日中に家族がそれぞれ別の場所にいる時に被災したら、きっと心配でたまらないと思います。
それでも、何も知らないまま不安でいるより、少しでも知識を持ち、家族と話し合い、備えておくことには大きな意味があると感じています。
「もしも」の時のことを考えるのは、少し怖いことかもしれません。
でも、だからこそ普段の落ち着いている時に、家族で話しておくことが大切なのだと思います。
皆さんは、3月11日の時、どこで何をしていましたか。
あの日の経験が、防災について考えるきっかけになった方も多いのではないでしょうか。
私が防災を学ぶようになったきっかけは、3月11日でした。
あの日の恐怖を忘れず、これからも自分にできる備えと学びを続けていきたいと思います。